妄想物件物語

MACHIYA

物語⑦ Nの場合 京都市左京区岩倉プロジェクトⅡ 最終話

今回の登場人物
N氏 57歳 男性
職業:会社役員
古い車が好きで趣味で1台、普段は足代わりにレンジローバーのディフェンダーにのる。

M美 51歳 女性
職業:テキスタイルデザイナー
移動用にフィアットのパンダにのっている。

レオ:ラブラドール・レトリーバー 2歳 オス

各々家庭を持っていたが、それぞれ訳あって離婚しており、いわゆるバツイチ同士の50代大人カップル。お互いの子供も独立し、ゆったりとしたセカンドライフを求め、ようやく見つけた素敵な物件をフルリノベーション。住み慣れた街に別れを告げ、拠点を新たに京都に移すことにし、犬と車と私(達)の物語を再び始めようとしている―――。

 

RC造の極み

 

程なくして担当者から、引渡しの連絡が来た。待ってましたと言わんばかりに、レオが喜んでフワフワの尻尾を振り回している。
改めて眺めていると、家というより「ほぼガレージ」だ。
むしろ、ガレージのおまけに家が付いている。といっても過言ではないほどに、もれなくガレージが広い

お互いの愛車を並べて駐車してもスペースは充分にある。車好きにはたまらない空間だ。
嬉しそうに駆け回るレオを横目に、新しい住まいの仕上がりを確認しよう。

RC造のガレージの屋根の上は、庭として利用しても問題なさそうだ。この広さならプールや、ちょうど今二人共にハマっている、テントサウナを設置してもいいかもしれない。塀で囲えば、人目を気にすることなく堪能できそうである。

他にも、友人や子供夫婦・孫たちが遊びに来た時は、BBQスペースとしても利用できるだろう。ましてや、駐車場に困ることもない。
「どうぞ、愛車で来てください。」と案内ができることは何より自慢の一つだ。

RC造のリノベーションなので間取りの変更がほとんどできない中、そこを逆手に取り、いつもにはない間取りの面白い空間を提案してもらった。とくに気に入っているのが、開放感あふれるリビングダイニング。天窓から差し込む優しい光と南側には大きな窓が広がり常に室内は明るい印象だ。
多分、一日中ここに座って過ごす自信が私にはある。それほどに、広くて明るい。

フローリングは幅を細めの床材で敷き詰め、壁のグレージュカラーとサッシの黒色でスタイリッシュで締まった印象になっているのも、好みに一致していて最高だ。

ここに観葉植物を置いたら、もう完璧だ。言うことない。眩しさに目を細めて取り付けのソファーに腰を下ろすと、横にレオが寄り添うように座る。レオの頭を撫でながら部屋をゆっくり一望していると、うんうんと顎に手をやりながらウロウロしているM美と目が合い、思わず微笑み合う。言葉に出さなくても通じる「良いじゃん。」がそこにはある。色々と断捨離をした後とはいえ少なくはない荷物を整理する。

 

「ここに決めて良かった!」

 

9台も車を止めることないときは、月極ガレージや一時貸しなどいいかもしれない。
この辺だと、車は一家に一台の駐車しかできないところがほとんどなので、2台・3台持ちのご家庭には需要があるかもしれない。そうこうしていると、ピンポーンとチャイムが鳴った。レオが一番に玄関へと駆けつける。

「ダダ、あーちゃん!来たよ〜!!」

インターフォン越しに、元気な孫娘の声が聞こえる。それが皮切りとなりどんどん停まる車たち。お互いの子供夫婦が一堂に集まってくる。ボヤボヤしていられない。まるで私達のような、シンプルでスタイリッシュなオリジナルの玄関扉が今開く。
さぁ、楽しいホームパーティーの開催だ。ワン!!

 

【Fin】

 






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